動かない建築
当たり前ですが建築は土地に定着しています。すなわちその土地その土地固有の環境が建物に大きく影響を及ぼします。
雪が多い場所では雪の下ろしやすい屋根形状の、建物が隣接する都会ではトップライトを有効に取入れた、海を望む場所ではその眺望を活かした建築・・・・・。
それらが、その場所にあった最も個性的な建築ではないかと考えています。
自然との繋がり
人間は自然と対峙して生きています。
普段はあまり意識していませんが、雨に濡れれば体力が奪われ、冬の北風は死と隣合わせです。また炎天下では脱水症状や熱中症の危険が潜んでいます。
それらの危険から身を守るため我々は建物をつくります。
一方、冬の陽だまりは非常に心地よく外の寒さを忘れてしまいます。また、春の新緑は人の心を弾ませ、部屋を通り抜ける心地良い風が春眠を誘います。
このように、我々は自然と密接に繋がって生きています。自然の驚異から身を守り、自然の恵みが感じられる潤いのある建築をつくってゆければと考えています。
人の環(和)
建築はひとりではできません。
誰か(施主)が自分の理想の住まいを思い描き、その思いが理想を具体化できる人(設計者)を動かし、さらには実現化できる人たち(施工者)をも巻き込んで夢が現実の建築となってゆきます。
ただ、この3者の連携がうまくとれていないとなかなか良い建築にはなりません。3者の思いを一致させることはなかなか難しいことではありますが、少しでも3者がうまく連携した良い建築を多く手掛けてゆきたいと思います。