材料-内装-について

 内装材料は直接手足で触れたり目に触れる材料です。そこに居る人々が快適に過ごすことができるよう適材適所の材料選びが必要です。

 内装部分で人が一番接する場所であり、用途によってはそこに座ったり寝転がったりもします。従って、その選定においては耐久性や感触などに対して充分な配慮が必要な部位です。

◇複合フローリング

 一般的にフローリングと言えばまずこちらを指すことが多いのではないでしょうか。このタイプのフローリングは表面材料と下地材料を貼り合わせて作っています。表層は0.3mm~3mm程度と製品によって差があり、一般的には厚いものほど価格は高くなります。
 表層を傷つけるとすぐに下地がでてきてしまうので、ほとんどの製品は表層にコーティングがしてあり傷がつきにくい加工を施してあります。

◇無垢フローリング

 こちらは文字通り無垢のフローリングです。1本の木から製材して製品にしています。材種も広葉樹、針葉樹、輸入品等いろいろとあります。一般的に、広葉樹は堅く針葉樹は柔らかい素材です。(一部広葉樹の桐など例外もあります)
 イスなどによる傷を気にされる場合は広葉樹の方が傷つきにくく、素足で歩いたり床上に座ったりする場合は柔らかく暖かい針葉樹の方が良いのではないでしょうか。

◇カーペット

 ひとくちにカーペットといってもその種類は多く、織り方や材質によって価格にかなり差がでます。普及品としてはタフテッドカーペットと呼ばれる刺繍タイプのものがあります。保温性や吸音性に優れますが、一方でダニやほこりなど掃除が大変な一面もあります。50cm四方のタイル状になった製品などもあります。

◇クッションフロア

 厚さ1.8mm~4mm程度のビニール素材の材料です。表面は石やタイルなどの柄や模様をエンボス加工してあり発泡層を裏打ちしてあります。水を通さず汚れも拭き取りやすいので、主にキッチン、トイレ、洗面所など水廻りで多く使われています。

◇コルクタイル

 コルク樫の樹皮をチップ状にして固めた自然素材です。身近なところではワインの栓に使われています。大きさは30cm角×厚さ3~8mm程度のものが主流です。フローリングのように実をつくって重ねて張ってゆくタイプの製品もあります。
 機能としては、保温性・吸音性に優れ柔らかくクッション性のある素材なので子供部屋の床材などに人気があります。水には強いものの汚れが付きやすいので、製品の多くは表面に塗装を施しています。

◇畳

 昔は日本家屋のスタンダードだった床材ですが、現在では他の床材に取って替わり、住宅の和室は1部屋前後になってきているのではないでしょうか。ただ、畳は多目的な使い方ができるので、まだまだ床材としての可能性を秘めている素材だと思います。
 以前は厚さが55mm程度のものが一般的でしたが、工法の変化やバリアフリー可に伴い15mm程度のものも出てきています。また、畳床も稲わらから新素材(タタミボードやポリスチレンフォームなど)へと変化しています。

巾木

 巾木とは、床材と壁材の接する部分に取り付ける部材のことです。壁の一番下の部分にある高さ60mm~100mm程度の細長い材料です。巾木の役目としては、一つは壁や床の見切りとして端部をきれいに納める役目があります。もう一つには、掃除の時に掃除機がぶつかったり雑巾が触れたときに壁を保護する役目も担っています。

◇木製巾木

 文字どおり木でできた巾木です。無垢材や集成材を使ったものから、新建材(MDFなど)を使ったものなどがあります。

◇ソフト巾木

 塩ビ製の巾木です。価格が安く、床材が塩ビ製のクッションフロアなどの場合によく対にして使うケースがあります。

壁・天井

◇ビニールクロス

 壁材として日本で一番使われる材料ではないでしょうか。量産タイプと呼ばれる廉価なものから、抗菌・防カビなど様々な機能が付加したものまで様々な種類・デザインから選べます。プレーンな感じの部屋にしたい場合は、壁と天井を同じ材料で仕上げることも結構あります。

◇布クロス

 織物の壁紙です。もともとはこちらが主でしたが、製造方法の発達によりビニールでも織物に似せたテクスチャーを表現できるようになったため、現在は安く大量に生産できるビニールクロスが主流になってきています。
 ただ、本物の風合いや質感を求める場合には一度ショールームなどで布クロスに触れてみてはいかがでしょうか。シックハウス対策として使用するケースもあります。

◇化粧合板

 合板の上に天然木の薄い板(突板)を貼り付けた天然木化粧合板や、表面にメラミンやポリエステルを加工したメラミン化粧板やポリエステル化粧合板などがあります。
 壁装材としては、できれば天然木化粧合板を使いたいところです。しな合板などは比較的価格も安くプレーンな仕上がりになるので好みが合えばお勧めです。

天井

 壁と天井の両方で使える材料が多いのですが、天井のみで使用する材料もありますのでそれらを紹介します。

◇化粧石膏ボード

 厚さ9.5mmの天井材です。910mm角とその半分のサイズのものがあります。天井仕上げとしては一番安く仕上げることのできる材料の一つです。事務所やスーパー・量販店などの天井によく使われています。

◇岩綿吸音板

 厚さ9~15mm程度の天井材です。吸音性に優れ、人が大勢集まるホールや会議室などに使われます。ストライプやブロックなど数種類のデザインが選べます。